札幌交響楽団『ニューイヤークラシックコンサート2020』
『ニューイヤークラシックコンサート2020』
とき:2020/1/17(金)19:00開演
ところ:札幌コンサートホールKitara(キタラ)大ホール
聴きに行ってきました!
概要
どんなコンサート?
『さぽーとさっぽろ*1』に加入している人が、無料で鑑賞できるコンサートです。
毎年1月に開催しており、『札幌交響楽団*2』の名演奏を楽しむことができます。
私の父が会社経営をしているので、我が家では必ず毎年のコンサートに行っております。
もう5年目くらいになるでしょうか?
もっとかも知れません。
Kitaraってどんなホール?
1997年にできた、北海道、札幌を代表するホールです。
クラシックや合唱が主な用途なので、邦楽や洋楽アーティストのツアーで使われることは、基本的にありません。
最寄り駅の中島公園駅から少し歩くのが玉に瑕ですが、札幌都心のすぐ近く、憩いの公園内にそびえる立派なコンサートホールは圧巻です。
もちろん内部も幻想的かつ荘厳で、非日常のコンサートを五感全部で、余すことなく楽しめることでしょう。
ホールは二つあり、大ホールは2008人収容できます。
私はKitaraの小ホールで、司会の仕事をさせてもらったことがあります。
Kitara公式HPより引用
指揮者
クラシックコンサートの顔となるのが、指揮者です。
札幌交響楽団は、北海道唯一のプロ・オーケストラでありますから、海外から指揮者を招くこともあります。
何年も続いて指揮を執ることもあれば、一年で替わることも。
今回のコンサートは、2019年4月より札幌交響楽団にて指揮を執っている、『松本 宗利音(シューリヒト)』さんです。
入場時に渡されたプログラムの裏面に経歴が記載されておりましたが、これまたすごい。
東京藝術大学音楽部指揮科卒業で、卒業時にアカンサス賞を受賞しているんです。
東京藝大は言わずと知れた、日本最高峰の芸術大学です。
そしてアカンサス賞と言えば、卒業時に最優秀成績者に与えられる名高い賞。
1993年生まれの松本さんは、弱冠26歳でありますが、まさにエリート中のエリートです。
コンサート
コンサートは2部制に分かれております。
【第1部】
ベートーヴェン/交響曲第4番変ロ長調op.60
35分ある、交響曲です。
4楽章に分かれております。
ベートーヴェンの交響曲と言えば、第3番『英雄』や第5番『運命』、第6番『田園』は有名ですが、第4番は初めて聴きました。
『○○』っていう標題がありませんもんね。
一般の人には馴染みがないのも仕方ありません。
指揮者の松本さんも、「滅多に演奏しないこの曲をあえて選んだ」と話しておりました。
15分の休憩を挟んで第2部に移ります。
【第2部】
ニコライ/歌劇「ウィンザーの陽気な女房たち」序曲
『ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団』の設立者で、初代指揮者として知られる『オットー・ニコライ』の代表作です。
新年の幕開けに相応しい、軽快な音楽です。
ヨゼフ・シュトラウス/ポルカ「鍛冶屋」op.269
『ヨハン・シュトラウス二世』の弟の『ヨゼフ・シュトラウス』の作品です。
鍛冶職人の代名詞とも言える、金床を打楽器に用いた、ユニークな曲です。
個人的には、一番楽しかったですね!
鍛冶屋の格好をした楽団員が登場し、ハンマーで金床を叩いて音を出していました。
この芝居が絶妙なんです。
「早く叩く準備をしないと、演奏がずれる!」と指揮者が焦るのを横目に、ギリギリまでふざける鍛冶屋さん。
演奏中なので、指揮者は指揮を執っていて動けません。
鍛冶屋さんは悠々と過ごし、いざ金床を叩くタイミングが来ると、すかさずハンマーを取り出し演奏します。
そのハンマーは色々なところから、予想もつかぬ形で飛び出します。
時にはワインボトルの中からハンマーが出てくることもありました。
J.シュトラウスⅡ/ワルツ「春の声」op.410
個人的に好きなバンド『MALICE MIZER(マリスミゼル)』の楽曲『Bois de merveilles』のイントロで、同じ前奏が使われています。
初めて聴いたのは中学生の時だったので、もちろん先に知ったのはクラシックではなく、バンドの方です。
どうしてもこの曲を聴くと、好きなバンドを思い出してしまいます。
J.シュトラウスⅡ/トリッチ・トラッチ・ポルカop.214
運動会で流れることもあるので、ご存じの方も多い曲かも知れません。
私の運動会ではかからなかったので、馴染みはないですが、楽しい曲です。
ワルトトイフェル/ワルツ「スケートをする人々」op.183
ホルンの響きが冬を思わせ、鈴の音がしなやかなスケートを想像させます。
指揮者の松本さんは、「人生で一度しかスケートをしたことがない」と語っておりました。
私は道産子の道民ですが、小さい頃スキーにはよく行っても、スケートはあまり行かなかった気がします。
学校でスキー授業はあっても、スケート授業がなかったのですから、それも当然でしょうね。
J.シュトラウスⅡ/ポルカ「雷鳴と稲妻」op.324
以前は「雷鳴と電光」とも言われていたと、指揮者の松本さんが教えてくれました。
シンバルの打撃音が印象的です。
J.シュトラウスⅡ/ワルツ「美しく青きドナウ」op.314
私の記憶では、昨年(2019年)の『ニューイヤーコンサート』でも聴いた曲です。
指揮者の松本さんが、演奏前に語っておりました。
「人様のお金でドナウ川のそばの、ヒルトンホテルに泊まったことがあります。朝ホテルの部屋の窓からドナウ川を見ると、霧がかかって何も見えない。しばらくすると、少しずつ霧が晴れ、向こうから舟がやってきて・・・。音楽を言葉で表現するのは無粋ですね」
意訳ですが、このような感じです。
会場内が笑いに包まれ、和やかな雰囲気のまま演奏へ。
アンコール:J.シュトラウスⅠ/ラデツキー行進曲
アンコールは昨年と同じく、『ヨハン・シュトラウス一世』の名曲。
指揮者に指揮され、聴衆全員で手拍子をして、楽しくコンサートは幕を下ろしました。
まとめ
素晴らしいコンサートホールで、素晴らしい演奏を楽しみ、素晴らしい時間を過ごす。
この上ない、贅沢な安らぎの時でした。
一つだけ、心配なことがあります。
Kitaraが『2020年(令和2年)11月2日(月)~ 2021年(令和3年)6月30日(水)』の間、改修工事で全館休館となるんです。
来年の『ニューイヤークラシックコンサート』はどうなるのか・・・。
会場を変えてでも、札幌交響楽団の演奏を楽しみたいですね!
以上
「札幌交響楽団『ニューイヤークラシックコンサート2020』」でした♪