その場の雰囲気に合わせて千変万化の前出しをしよう
司会者のこだわりを紹介する連載ブログの第7弾です。
今回は何を教えてくれるの?
今回は前出しについてお話しします。
- 前出しとは何か
- 前出しの時に気を付けること
こちら前回の記事
前出し
クイズで理解しよう
前出しって何なの?
前出しとは、次に舞台に出る人を紹介することです。
素人さんでもプロでも、舞台に出るまでの経歴があります。
それを紹介することですね。
たとえばどんな感じ?
クイズ形式にしましょう。
歌の前出しです。
どんな人の紹介をしているのか、当ててみてください。
当ててやる!
問1.
「美空ひばりさんが大好きで30年に渡り歌い続けてきました。元気な歌声をお楽しみください」
あ、一般の人の紹介だね!
紹介じゃないわ。前出しよ
正解です。
カラオケ大会か何かでしょうかね。
お年を召しても元気に歌える様子が想像できます。
それでは次はどうでしょう?
問2.
「女の情念を歌いあげます。石川さゆりさんの歌で、天城越え」
あ!石川さゆりって言ってる!
歌の題名も言ってるわ。クイズになってるの?
そうですね。
そこまでは簡単に分かりますね。
でも、素人さんの前出しかも知れませんし、プロの歌手がカバーしているのを紹介している前出しかも知れません。
これだけでは、正解は絞り込めませんよ。
二問目でいきなり引っ掛け!?
性格わるーい
ははは。
では、次の三問目はどうでしょう。
問3.
「男の人生、喜怒哀楽を歌う人情演歌。長年のキャリアに磨き上げられた歌の神髄を、心ゆくまでお聴きください」
プロでしょ!
演歌の人!
そうです!
二人とも大正解!
前出しの使い分け
今の問題で思ったんだけど、色々な前出しの仕方があるのね
そこも司会者の腕の見せ所ですね。
原稿も何も見ないで、スラスラと言える前出しの文章を、いくつも事前に用意していないといけません。
司会者にとっては
なにごとも事前の準備が大事
ですから。
全部覚えるの!?
長く舞台を踏んでいると、自然と覚えますよ。
自分で考えた文章だから、覚えやすいですし。
自分で考えてるんだ
その文章を、紹介する相手によって使い分けているのね
そうです。
一般の人か、プロの人か。
それだけでなく、どれくらいキャリアがあるのかによっても前出しを変えます。
ふぅ~ん。ただ聞いているだけだと気付かないけど・・・
色々と考えているんだな
全ては歌い手さんとお客様のため。
イベントの成功のためですよ。
- 歌い手さんに気持ちよく歌ってもらいたい!
- お客様には楽しんでもらいたい!
そのために、前出しの文章という細かいところにも気を使っているのです。
歌以外の前出し
歌の前出し以外だと、他にはどんなのがあるの?
たくさんありますよ。
伝統芸能で言うと太鼓とか日本舞踊とか。
よさこいソーランや各種ダンスに、オーケストラの曲なんかも前出ししますね。
それぞれの前出しの文章を覚えているの?
いえいえ、その場の雰囲気で勝手に口から出てくる言葉を喋っていますよ。
事前の準備が大事なんじゃないの?
さっきと言ってること違うじゃん
もちろん事前の準備が大事ですから、ある程度は用意しています。
ですが、あまり事前に用意したものにとらわれるとその文章を言うことで精いっぱいになってしまうんです。
それは舞台を見ているお客様にも伝わってしまうんですよ!
そういうものなんだ
なんとなく分かる気がするわ
司会者は
舞台の雰囲気を読んで、臨機応変に対応
しないといけないんです。
それこそが、その場に生身の人間で司会者がいる一番大きな意味なんですよ!
ただ紹介するだけなら機械の音声や、事前に収録した音声でいいんですからね。
なるほど!
すごい、納得だわ
前出しの注意点
紹介を間違えない
前出しの文章にも色々あるんだね。よく分かったよ
まだ前出しの説明は終わってませんよ?
え?そうなの?
ええ。
今までに紹介したような、短くインパクトのある文章だけを前出しと言うのではなく、プロフィールの紹介や受賞歴を紹介するのも前出しになる、ということを説明してません。
プロフィール紹介も前出しになるの?
次に舞台に出る人が舞台に出る前に紹介している内容ですからね。
短くても長くても前出しになります。
プロフィールも自分で考えて、何も見ないで話すの?
文章は自分で考えますが、さすがにそれは原稿を見ます(笑)
長くない文章なら覚えて話しますが、もし原稿を見たとしても、恥ずかしいことなんて一つもありません。
舞台に出る人のことで間違えてしまう方が、大変失礼で司会者としても恥ずかしいことです。
そうだよね。自分も人に紹介される時に、間違えられたら嫌だしなぁ
タレントや歌手の紹介であれば、1分以上紹介の原稿を読んでいることもありますからね。絶対に間違えないように気を付けます!
差がつかないように
前出しで他に気を付けていることはあるの?
差がつかないようにしています。
差?どういうこと?
分かりやすくたとえましょう。
- Aさんの前出しで1分話しました
- 次のBさんの前出しは10秒くらいで終わりました
これって、なんか、えこひいきしているように感じませんか?
う~ん。そうだね。違和感がある
Bさんのことが好きじゃないのかな
そうなってしまっては司会者としてはダメなんです!
どんな出演者の方であっても、みんな平等に、差別なく舞台に送り出します。
出演者を立たせてこその司会者です。
出演者の間で差ができてしまっては、全員を立たせることができませんからね。
そんな細かいことも気を付けてるんだ
もちろん、イベントのメインゲストの方を大きく目立たせるために、長く紹介することもあります。
逆に、目立たせるために多くは語らず、ナレーションでビシッと決める時もありますね。
その他にも、時間が押してしまって、前出しを短くせざるを得ない時もありますよ。
さっき言っていた、臨機応変ってやつね
まとめ
- 前出しの文章はある程度覚えておく(そして臨機応変に使い分ける)
- 前出しは差をつけない(メインゲストは別)
前出しを覚えたよ!
それは良かった。
司会者でないと日常生活で使う機会はないでしょうけどね。
そんなことないよ~
自分の友達一人一人、どんな前出しで出すか考えて、前出しの文章を作ってみる!
以上
「司会者のこだわり 臨機応変に千変万化の前出しをしよう」でした♪