大きな誤解!『勉強できる』=『教えるのが上手』ではない2
「正しい勉強の仕方」第46弾です。
今回は何を教えてくれるのかな?
前回から引き続き、「『勉強ができる』=『教えるのが上手い』ではない」ことについて、お話ししていきます。
- 『勉強ができる』=『教えるのが上手い』ではない
- 教え方が上手な人を紹介
- まず、親から変わろう!
前回の記事
前回の復習
教え方が上手か下手か判別
前回は、教えるのが上手か下手かを、すぐに判別できる方法を紹介しました。
- 説明する単語を使う
- 擬音を使う(例外あり)
- 同じ説明を繰り返す
自分が下手だなんて、思ってもみなかったよ
私も……。ちょっとショック
大丈夫ですよ。
誰かに何かを教える時に、下手な教え方をしないで上手な教え方をするように気を付けていれば、すぐに上達しますから。
下手な教え方は前回聞いたけど--
上手な教え方はまだ聞いてないわ
それをお話しする前に、前回問題で出した「優しい」を説明する模範解答を紹介しましょう。
「優しい」を説明する模範解答
下手な教え方として前回紹介した、「説明文に説明単語を入れる」「擬音を使う」の二点に気を付けます。
「優しいとは、思いやりがあって親切で、他者に良い印象を与える心のこと」
こんな感じでしょうか。
う~ん、見事だね
でも、なんでわざわざ「心のこと」なんて付けたの?
それは、「優しい」にも色々あるからです。
「優しい声」だったり、「環境に優しい」だったり、同じ言葉でも意味が少し異なります。
たしかに!
自分が説明したい的を絞るため、「心のこと」と付けました。
端的に言うなら
「優しいとは、思いやりがあって親切なこと」
だけでも構いません。
そっちの方がスッキリしてて分かりやすいわ!
教えることが上手な人
同じ内容を言い換えて表現
知らない単語は人それぞれ
ここからは、教えるのが上手い人を紹介しましょう。
いくつも言い換えができる人は、間違いなく教えるのが上手です。
言い換え?
カタコトの外国人に何かを教えたことはありますか?
道案内とか?
何でもいいんです。
一度経験すると、私の言っていることが、よく分かるでしょう。
どういうこと?
相手は外国人なので、知っている言葉と知らない言葉があります。
そのため、通じる単語と通じない単語があります。
こちらにはそれが何か分からないので、色んな表現をしてあげるんです。
「終点」と言っても伝わらなければ、「最後の駅」と言います。
「親切な人」と言っても伝わらなければ、「優しい人」と言います。
なるほどね!
実はこれは、外国人に限ったことではありません。
他人に物を教える時には、全て共通する話なんです。
そうなの?
もちろんです。
同じ日本人であったとしても、人によって知っている言葉に違いがあるのですから。
あ!そっか!
教えられる方は、分からないことを教えられているので、知らない言葉があれば余計に理解しにくくなります。
教える側は、少しでも相手のボキャブラリーにヒットするように、言葉をいくつも言い換えると理解されやすいです。
なるほどねー
前述の「優しい」の説明でも、「思いやり」と「親切」という単語に置き換えて表現しています。
ちゃんと気を付けてたのね
様々な言い換えができる人は、教えるのが上手な人だと、断言してよいでしょう。
擬音や比喩も使いこなす
実は、教えるのが下手な人で紹介した「擬音を使う」も、様々な言い換えができる人が使えば、上手な教え方になります。
さっきと言ってること違くない?
そんなことはありません。
色んな言い換えの一つとして、擬音を使えば良いのです。
前回のブログで例に出した、野球のピッチングで言うと
「振りかぶった後は、腕をしなる竹のように、ビュッと勢いよく振り下ろす」
と言えば、擬音を使いつつも説明できてますね。
擬音を相手に伝わりやすくする、一つの例にすればいいのね
擬音とは違いますが、相手に分かりやすい例えを駆使するのも大事です。
様々に表現できる比喩を使いこなす人は、教えるのが上手な人に当てはまります。
指示代名詞を使わない
説明する時に指示代名詞を使う方が多いですが、これは上手な教え方とは言えません。
指示代名詞?
「これ」「あれ」「こっち」「そっち」などのことです。
日常生活ではよく使いますね。
教える時に使ったらダメなの?
ダメなことはありませんが、使う頻度に気を付けないと、聞いている方は「何がこれ」で「どれがあれ」なのか、さっぱり分からなくなります。
「こっちとはどっち」で、「あっちとはどっち」なのか?
考えている間に説明が進むので、話の内容も理解できません。
分かる気がするけど……
つい、使っちゃうわよね
説明だけでなく、日常会話でも自分が話している時に、気を付けてみてください。
意識したら、意外とクセを直せますよ。
ちなみに、お笑い芸人やタレントで話が上手な人は、自然とこの指示代名詞も気を付けて喋ってます。
意識して指示代名詞を使い分けられる人は、教えることや話が上手な人です。
自分の話を相手に聞いてもらいたい時には、注意してみましょう。
相手の立場で説明できる
物理的な立場
相手の立場になって表現できるのも、教えるのが上手な人の特徴でしょう。
相手の立場?
まず、物理的な立場です。
右と左。前と後ろ。手前と奥。
誰かと話す時は、相手と対面していることが多いです。
自分から見た向きでなく、相手の視点から物事を教えられると、相手はすごく分かりやすいです。
逆向きに言われると、すぐに理解できないものね
とは言っても、言うは易く行うは難し。
簡単なことに見えて、難しいことです。
うん……僕は苦手かな
大丈夫です。
優れた空間認識能力がなくとも、常日頃から意識して話せば、自由自在にできるようになります。
意識し過ぎて、ちゃんと話せなくなりそう
精神的な立場
そしてもう一つ。
今度は、精神的に相手の立場に、立ちましょう。
精神的に?
相手にとって何が分からないのかを、教える側もしっかり把握していないと、上手く説明できません。
それはそうよね
これは勉強を教える場面で、実際によくあることです。
教えられる側は分からないことだらけで、自分が何が分からないかも、分からない。
しかし教える側は、相手が分からないところをハッキリ言わないので、何が分からないかが分からない。
なんか滅茶苦茶だね
滅茶苦茶ですよね。
ですが、小学生の子を持つ親御さんが勉強を教えると、頻繁にこのような事態が起こります。
大変じゃない!
親から変わろう
ちょっとだけ脱線しますね。
親は「小学生の勉強くらいは分かる」と思って教えるのですが、人に教えるプロではないのですから、教え方が上手くありません。
「教え方が悪い」なんて思いもしないのが普通ですので、親は次第に、理解できない子どもが悪いと腹を立てます。
うわ~……
「こんなことも分からないの?」
なんて、一番言ってはいけないセリフですね。
「分からない自分が悪いんだ」と追い込まれた子どもは、勉強が嫌いになります。
可哀想……
この問題は、教える側が教えられる側の立場に立たないと、いつまで経っても解決しません。
まずは親から変わりましょう。
- 言い換えができる(擬音や比喩も)
- 指示代名詞を考えて使う
- 相手の立場になれる(物理的にも精神的にも)
まとめ
- 『勉強ができる』=『教えるのが上手い』ではない
- 教え方が上手な人を紹介
- まず、親から変わろう!
「『勉強ができる』=『教えるのが上手い』ではない」ことについてお分かりいただけたでしょうか?
よく分かったよ!
人に教えるって、簡単じゃないのね
教えようという気持ちがあれば、必ず上達しますよ!
そして未熟でも、その思いは相手に伝わるものです。
よーし!僕もドンドン人に教えていこっ!
あんたが何を教えられるのよ
え?オススメの面白いマンガとか……?
「教える」意味が違う!!
以上
「大きな誤解!『勉強できる』=『教えるのが上手』ではない2」でした♪