腕時計を大袈裟に見てアピール~舞台の特別感を出そう~
「司会者のこだわり」第43弾です。
今回は何を教えてくれるのかな?
前回お話しした「腕時計の見方」の続きをお話しします。
前回は「なぜ腕時計を見たらいけないのか」についてお話しましたが、今回は「あえて腕時計をアピールして見る場面」について紹介します。
- あえて腕時計を見て笑いを誘う
- 腕時計を見てアンコールの特別感を出す
前回の記事
時間をアピール
前回はさりげなく腕時計を見る話を紹介しました。
細かいことだったけど……
気を使っていたわね
前回と真逆の話になりますが、あえてお客様から見えるように、腕時計をアピールすることがあります。
そんなことしていいの?
基本的にはいけません。
ただし、それが許される場合があります。
一つずつ紹介していきましょう。
お笑い系の演者
舞台に出ている人がお笑い系の方の場合は、腕時計を見て時間をアピールすることがOKになる場合があります。
お笑い系?
お笑い系とは、お笑い芸人に限ったことではありません。
出し物が面白くてお客様が大笑いだった時の演者は、お笑い系と言ってよいでしょう。
演目が終わった後
お笑い系の人が会場を盛り上げて、袖に下がっていった後、司会者が舞台に出ていきます。
そして腕時計を見ながらこう言います。
「時間が押している中にも関わらず、楽しいステージをありがとうございました!」
え!そんなこと言って大丈夫なの!?
ヒドくない!?
もちろん、冗談に聞こえる声のイントネーションは大事ですよ。
そして、相手がそのイベントのメインゲストの時は、絶対に言ってはいけません。
この二点だけ気を付ければ、さらにお客様から笑いを取ることができます。
後でお笑い系の人に怒られないかな……
私の場合はまだ年が若いので、相手に失礼にならないように、後で謝りに行くこともありますよ。
やっぱり怒られるんじゃん!
いえいえ、怒られることはありませんよ。
相手の方もお笑い系ですから、気にする方はまずいません。
舞台とはそういうものだと、相手の方もちゃんと分かっていますよ。
私が自己満足で謝りに行くだけです。
ちなみに、このテクニックは「お笑い系の人のために、本当に時間が押していた時」限定ですからご注意ください。
演目が終わる前
もう一つ紹介しましょう。
上と同じく、「お笑い系の人のために、本当に時間が押している時」限定のテクニックです。
そのお笑い系の方の舞台に、司会者が腕時計を見ながら乱入します。
「ちょっと○○さん、もう時間がかな~りオーバーしてますよ!」
そんなことしていいの!?
本当に嫌がる方がいるかも知れないので、私は何度も舞台を一緒にして、気心が知れた仲の相手にしかしません。
それはそうよね……
ただし相手が納得さえすれば、問題はありません。
お客様は何かの演出かと思いますし、演者は自分の持ち時間がオーバーしていることに気付きます。
気付くの?
押す人と言うのは、だいたい毎回の舞台で押すものなんです。
「あ、また自分は押しちゃってたんだ!」とすぐに気付いてくれます。
そんなこと言っていいのかしら……
司会者が乱入したまま、演者と少し絡んで話してもいいですし、すぐに袖に下がっても構いません。
いずれにしても、仰々しく腕時計を見ることが、この時は重要な所作になります。
歌手でMCが長くて時間が押す人も、話好きの方はだいたいお笑い系なので、このテクニックを使えます。
アンコール
最後にもう一つ、あえて腕時計を見せる場面を紹介しましょう。
それは、お客様から熱願された、アンコールの時です。
アンコールって、歌だよね?
歌に限ったことではなく、演奏だけの時もありますけどね。
いずれにしても、音楽関係です。
アンコールがある程度続いたら、歌手の好きなタイミングで出て来るんじゃないの?
それは若い方がよく行く、ライブやコンサートの一般的なものですね。
司会者がいる舞台では、そうはいきません。
そうなの!?
基本的に司会者が全てを取り仕切るので、司会者が促さないとアンコールは始まりません。
知らなかった……
もちろん例外はあって、あえて司会者が動かず、歌手に任せることも稀にあります。
ただしそれはその場の雰囲気や、歌手の方の経歴なども考慮するので、例外中の例外と思ってください。
アンコールのステージが始まる時に、司会者はなんて促すの?
そこは自由です。
アンコールを予定していても予定していなくても、お客様の要望で特別なステージを行うことになったと、熱を持って伝えられればいいんです。
予定していないこともあるのね
このアンコールが始まる時に、特別感を出すために腕時計を見るテクニックを使うんです。
腕時計を見て、特別感が出るの?
特別感を出すんです。
腕時計を見ながら、こう言ってください。
「時間が押しているんですけど……!う~ん、ええい!皆様のご期待に応えましょう!○○さん、アンコールのステージです!」
なるほどね!特別になってるわ!
わざと「時間がない」と話すことによって、アンコールがただのアンコールではなく、「(それでも行う)スペシャルステージ」に変わるんです。
- お笑いで盛り上がった後
- お笑い系の舞台に乱入する時
- アンコールに応える時
まとめ
- あえて腕時計を見て笑いを誘う
- 腕時計を見てアンコールの特別感を出す
「腕時計の見方」についてお分かりいただけたでしょうか?
よく分かったよ!
腕時計を見るのは同じなのに、結果が良かったり悪かったりするのね
面白いところですよね。
司会者は喋るだけではない、ということです。
よーし!僕もテクニックを磨くぞー!
何のテクニックを?
電池交換のテクニック!
……は?
僕の腕時計、電気切れてずっと動いてないんだ!
時計屋さんに行ってきなさいよ……
以上
「司会者は腕時計を気付かれずに見ろ2~大袈裟に見てアピール」でした♪