マイクの上手な取り扱い方(使い方ではない)実際の現場紹介
「司会者のこだわり」第48弾です。
今回は何を教えてくれるのかな?
今回は『マイクの取り扱い方』についてお話しします。
- マイクを叩いてはいけない
- 一般の方はスイッチ付きのマイクを使おう
- マイクのお尻を隠さない
- 頭も隠さない
マイクの取り扱い方
使用時の注意点
『マイクの使い方』?
いえいえ、『マイクの取り扱い方』です。
何か違うの?
『マイクの使い方』だと、上手く声を乗せる方法だったり、マイクの持ち方だったりします。
『マイクの取り扱い方』だと、使用時の注意が主な内容になります。
じゃあ、マイクを使う時の注意事項を、教えてくれるってこと?
これが大事なことなんです。
しっかりと使えないと、音響さんに怒られてしまいますからね!
音響さんって、怖いの?
いえいえ、怖くありませんよ。
ただ、司会者と音響さんの息が合わないと、イベントの成功には繋がりません。
良い仕事をするためにも、音響さんと仲良くできるよう、『マイクの取り扱い方』を気を付けましょう。
よーし!気を付けるぞー!
まぁ、カラオケでも役立つので、『マイクの使い方』をお話ししてもいいですけどね。
私はそっちの方が聞きたいかなぁ
手で叩くのは絶対ダメ!
一般の方がよくやることが、こちら。
音が入っているかどうか(マイクのスイッチがONかどうか)を確認する行為ですが、
絶対にしてはいけません。
え!ダメなの!?
断固、NGです。
みんな普通にやってるわよ?
それは、カラオケでの話でしょう。
音楽番組やイベントで、プロがマイクを叩いて音をチェックしているところを、見たことがありますか?
それは・・・
ない・・・わね
業界内では、してはいけないことだから、誰もしないんです。
じゃあ、どうやって音が入っているか確認するの?
入念にリハーサルをしているから、本番で確認する必要はありません。
全て音響さんがON/OFFをしてくれるので、大丈夫ですよ。
なら、リハーサルの時は、どうやって音を確認するの?
簡単です。
マイクを使って、声を出すだけです。
音が入っているか入ってないかは、それですぐに分かります。
言われてみれば、それで解決だね
でも、どうしてマイクを叩いたら、いけないの?
それを説明しましょう。
なぜマイクを叩いたらいけないの?
一つ目の理由~マイクが痛む
大きく理由は二つあります。
一つ目は、『マイクが痛むから』です。
叩くだけで?
そうです。
そもそも、マイクは精密機械ですから、衝撃に耐える設計はされておりません。
音を拾うのに、耐久性は必要ないわよね
以前もブログで言ったことがありますが、プロ仕様のマイクは、一本あたり数万~数十万円する、大変高価なものです。
音響さんの大事な商売道具ですから、大事に使って欲しいのは当然ですよね。
そんなに高い物が自分のだったとしたら、大事に使って欲しくなるなぁ
二つ目の理由~耳に衝撃
二つ目の理由は、『音響さんの耳に衝撃がある』からです。
音響さんの耳?
音響さんによっては、ヘッドホンで常に音を聞きながら、微調整をしている方もいます。
そんな時に急に「ぽん!ぽん!」と聞こえたら、どうです?
まぁ、嫌かな
実際には、耳元の超至近距離で「ボン!ボン!」と、音が鳴るんですよ。
それは、うるさいわね
音響さんは、自分の耳も大事な商売道具です。
何かあっては、取り返しがつきません。
以上の二つの大きな理由により、マイクを手で叩くのはやめた方が良い、と分かりましたね。
実際の現場
プロの歌手は現場慣れしているので、絶対にマイクを叩きません。
しかしカラオケ大会や歌の発表会だと、登場する素人さんは、ほぼ必ずマイクを叩いてしまいます。
それも、代わる代わる。
次から次へと。
それは・・・ひどいね
でも、私も説明されなければ知らなかったし・・・
うん、ついマイクを叩いちゃっても、仕方ないよね
そう、素人さんを責めることはできません。
舞台に慣れていないから、素人なのですから。
そうであれば、どうすればマイクを叩くのを止めさせることが、できるでしょうか?
う~ん。「叩いたらダメだよ」って先に教える、とか?
それを言っても、舞台に出る時の素人さんは緊張しています。
無意識のうちに、いつもカラオケでしている、マイクを叩く行動をします。
じゃあ、どうしようもなくない?
カラオケでマイクを叩くのが習慣になると言いましたが、実際にはカラオケに行く全員が、マイクを叩くわけではありません。
それはそうよね。全員が歌う前に叩いてるのなんて、見たことないわ
これはどうしてでしょう。
誰だって自分が歌う前に、マイクが入っているかどうかを確認してから、歌いますよね。
マイクを叩かずに、どうやって確認しているのでしょう?
それは、赤くランプが光っているし・・・あっ!
自分の親指でスイッチを上に押し上げて確認するし・・・あっ!
2人とも正解です。
見て触って、視覚と触覚で自ら確認しているから、安心して歌えるのです。
じゃあ、舞台で使うマイクもそうすればいいってこと?
その通り。
舞台で使うマイクも、カラオケボックスにあるマイクのように、手元スイッチがついているタイプにすれば良いのです。
なるほどね~スッキリしたわ
それでも、マイクを叩いてしまう人は、たまにいますけどね。
ちなみに、プロの歌手の場合。
誤作動があっては大変ですから、全て音響さんが操作するために、手元スイッチが付いていないタイプのマイクを使うのが普通です。
それでは続けて、『音響さんに怒られるマイクの使い方』を紹介します。
そんな乱暴なくくり方でいいの!?
『音響さんに怒られる』は冗談ですが、マイクは適切な使い方をしないといけません。
それを紹介するのね
カラオケでも役立ちますよ!
マイクの取り扱い方その2
お尻を隠さない
マイクのお尻を、手で隠してはいけません。
お尻?
マイクの一番下の、底のことです。
有線マイクはコードが伸びていますが、無線マイクの場合、ここから電波が出ています。
マイクを持つ時に、そこを手で隠してしまうと、音響(PA)さんから絶対に指摘されます。
電波を阻害してしまうのね
そんな簡単に、人の手で電波が変わるの?
電波は思ったより弱いものなんですよ。
実際の現場では、マイクの電波以外にも、たくさんの電波が飛び交っています。
インターネット(Wi-Fi)の電波や、携帯電話の電波、ラジオの電波など、色々ある中で、マイクの無線電波を送受信しているんです。
これを混線しないように、音響さんが調整しているんです。
地味に凄いことをしてるのね
手でマイクのお尻(電波の発信源)を隠すことによって、少しでも電波が弱くなれば、音響さんは敏感に反応します。
音の良し悪しにも繋がるので、気を付けましょう。
はーい!
ちなみに、カラオケでも、無線に影響はあります。
歌が少しでも上手く聞こえるようにしたければ、下の写真のようなマイクの持ち方は、今すぐやめましょう。
持ち方に気を付ける
ちょうどマイクの持ち方の話をしたので、それについてもう少し、注意点を紹介しましょう。
他にも、マイクの持ち方で気を付けることがあるの?
お尻を隠さない、ってことは覚えたわ
それでは今度は、頭も隠さない、と覚えてください。
頭?・・・マイクの?
そう、マイクの頭です。
どの部分だと思いますか?
お尻の反対だし、マイクの音を拾う、あみあみの部分でしょ
正解です。
喋る時や歌う時に、口を近づける丸いところです。
銀色だったり、黒色だったり、金色だったり、色々な色がありますね。
そこを、手で隠したらダメなの?
そうです。
音を拾う場所なので、手で隠すように持っては、ちゃんとした音が拾えません。
例えば、この写真を見てください。
こんな持ち方をしては、絶対に音響さんから、正しい持ち方に直されます。
正しい持ち方って?
ごく普通の持ち方です。
マイクのお尻を隠さないのは説明した通りとして、頭の丸い部分にも、手が触れないようにします。
それが正しい持ち方なんだ
奇抜なことはせず、普通が一番ということですね!
プロの持ち方は別
マイクの頭を持って歌ってる歌手を見たことあるわ
ロックシンガーやラッパーに、多いですね。
その持ち方はダメなんじゃないの?
プロは別です。
なんで!
ズルい!
全国ツアーをするようなプロは、専属の音響さんを雇っています。
そうなると勝手を知った仲になるので、マイクの持ち方による微調整もお手の物です。
調整できれば問題ないのね
音楽番組は?絶対、専属の音響さんじゃないでしょ
あれはもう、そういうものと思ってください。
何それ、諦め?
有名な歌手は、そういうマイクの持ち方だと、みんな知ってますからね。
プロの歌い方に口を出す人は、まずいません。
有名じゃない方だとしても、リハーサルの時にしっかりと微調整をします。
マイクの持ち方がどうあれ良い音を出す
それが、音響さんの仕事ですから。
結局のところ、音響さんが調整できれば・・・
どんなマイクの持ち方をしてもいいのね
ただし一般の方は、正しいマイクの持ち方をするように、気を付けてください。
音響さんに怒られちゃうから?
怒られなくても、です。
特にカラオケボックスだと、顕著に差が出ますよ。
音を調整してくれる音響さんは、カラオケにはいないのですから!
まとめ
- マイクを叩いてはいけない
- 一般の方はスイッチ付きのマイクを使おう
- マイクのお尻を隠さない
- 頭も隠さない
『マイクの取り扱い方』について、お分かりいただけたでしょうか?
よく分かったよ!
マイクの構造を説明してもよいのですが、長くなるし専門的なことなので、省略しました。
それで十分よ。ちゃんと分かったわ
これからカラオケに行った時は、マイクの持ち方に気を付けるよ!
持ち方に気を付けても、元々の歌が上手くないと・・・
ひどい!!
以上
「マイクの上手な取り扱い方(使い方ではない)実際の現場紹介」でした♪
※過去に公開した記事を編集・再構築しました